「小説 8050」怖すぎる、誰にでも起こりうる現代社会の闇

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子どもを持つ親に起こる可能性は十分あるストーリー。親としての力量が問われる真のホラー。

自分ごととして考えてしまう

読み終えて、本当に衝撃的で放心状態になりました。

「小説 8050」とは「8050問題」を扱った林真理子さんの小説です。

「8050問題(はちまるごうまる)」とは80代の親が経済的にも精神的にも

自立出来ていない50代の子どものケアを担う社会問題です。

年金生活者となった親が引きこもりになった大人になった子どもを

自分の年金で養い続けているという状況です。

今10代になったばかりの子どもを持つワタシにも同じ状況はいつ起こってもおかしくない

と背筋が凍る思いで一気にストーリーに引き込まれてしまいました。

親の本気度を試されている

主人公の親子はまだ「8050」予備軍。

ただ予備軍の段階を放置した場合、「8050問題」へ確実に突入するでしょう。

それを予見した主人公(親)が立ち上がる展開となっています。

かつて、引きこもり問題は子どもが10代や20代が中心でした。

しかし現在ではその当時の子どもたちが成人し、40-50代の中高年になっています。

そのまま引きこもり問題を解決しなかったために、問題が継続しているのです。

引きこもりの原因はそれぞれですし、問題は複雑に絡み合っていて、

一筋縄ではいかないということはわかります。

専門家ではない外野のワタシがとやかく言う筋合いもありません。

しかしこの問題の根本解決になるのは親の子どもへの本気度なのではないかと思いました。

それが出来るのはやはり最初の段階、

子どもが10-20代のうちに向き合う必要があると思うのです。

まだ親であるワタシたちは40-50代で、問題と向き合う体力と気力が残っています。

70-80代になって、この問題に立ち向かう健康と精神的余力は残っているでしょうか?

少子化で「9050」になるかも

ワタシは50代。

高齢出産の女性が増加傾向であることを考えると、

将来は「9050」問題になってしまうのでは?!と思います。

自分がそんな年齢になって、子どもが自分の年金(いくらもらえるのかも怖いけど)を当てに

人生を送ることになるかと思うとゾッとしますね・・・。

そしてまだワタシが生きていれば子どもの孤独は避けられるけれど、

死後に子どもがどうやって生きていくのかを

老後に毎日悩み考えて過ごすかと思うと、不安で死んでも死にきれないですよね。

誰にとっても不幸しかない・・・。

まとめ:正面から子どもと向き合う

主人公の子どもが引きこもりになったのは中学生の頃です。

引きこもりは小学生からでもありますし、どの年齢でも子どもを持つ親だったら、

この本を読む価値は十分あると思います。

もちろんお子さんがいなくても、この社会問題を理解するのにもオススメです。

そして今もしこの問題の予備軍となっている同世代の方がいたら、

正面から子どもと向き合うことがこの問題の解決の近道だと

自戒の意味を込めて伝えたいです。

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